
戦争を知らない子供たちはビートルズで育ち
高度成長を走り抜けた団塊世代。
そんな彼らがシニアとなって感じる今を
共感をこめて綴ったどの頁からも気分次第で
読み切れるイラストも楽しいエッセイ集
「TOKYO STORY 凸凹」アップブックス
ご注文、ご予約の際は下記ISBNコードを店員さんにお伝えください。
———————————————–
ISBNコード 978-4-910418-00-1
———————————————–
以下、本の一部をご紹介します。
本書36-37ページより抜粋
見知った人を見かけた病院のロビー、声はかけなかった。
奥さんに腕を引かれて元気だったあの人が
「俺もああなるのかなー」と頭をかすめる
変えられないものが順番に確実にやってくる。
見渡すと手を引かれた自分が歩いて来て
「すいません」と小さい声で会釈した。黙って見送り我に帰ると
隣で妻が本を読んでいる、何事も無かった様に
遠いと思っていたものが実は近いと知る時だった。
帰り道「幸せかい」と聞きたかったが他愛もない話しか出来なかった
いつも言い出せない昭和の男「もう時間がないよ」と高層ビルが言っている
「分かっているよ」と苛立つ心も昭和の男、令和の街角は似合わないが
知ろうとする心より信じ合う心と気づかされ
「聞くよりもね!」と小声で返し妻の後を追って行く。

本書20-21ページより抜粋
ボイジャー一号は飛んでいる、確実に。
最も遠い星間空間を四十年以上かけて今も・・・
「遠くに来たなー」「歳を取ったなー」と呟いても誰もいない空間で
「寂しさをどうして断ち切るの」と聞きたくて夜空を仰いだ。
ビルの明かりで星が見えない都会の夜空に
月だけが大きく見えて気が変わり
「どうしてそんなに明るく楽しいの」と聞いてみた。
答えはしないが分かった気にさせる「お月様ってすごいね!」
酔っぱらいの傍らでコオロギが答えた、都会の小さな公園。
「君は公園の果てを目指して旅をしたかい?」ボイジャーのように
俺も冒険はしたかったけど、
たぎる心を置き去りにして無難にここまで来た。
今からだってあの明るい月にも行ってみたい「行けるかなー」
「歳を積み重ねポッカリ空いた心に」
コオロギは答えず季節を追って鳴いていた。

新しい都会のシニアに贈る宝石のような一冊TOKYO STORY 凸凹 11月23日(月・祝)発売
ご注文、ご予約の際は下記ISBNコードを店員さんにお伝えください。
———————————————–
ISBNコード 978-4-910418-00-1
———————————————–